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照明計画の大切さについて考える

ご無沙汰しております。
設計のYSです。

今回は「照明計画」について深掘りしていきます。

建築はどの分野も奥深いですが、今回のテーマは特にそうです。

科学の進歩と明るい夜

 現代の私たちは、科学の発展によって夜でも明るい生活を送っています。街灯やネオン、蛍光管が張り巡らされたオフィスなど、夜間も多くの光が溢れ、真っ暗な夜はほとんどありません。

 自然のリズムに従って生活していた過去の人々と、夜も明るい生活を送る私たちとの間には、「明かり」に対する考え方や利用方法に大きな違いがあります。

 火や月の光に依存していた過去の生活は、自然と調和し、精神的な安らぎを得ていました。一方、現代の私たちは人工の光に囲まれ、夜の暗がりを排除したことで、健康や精神面において新たな課題に直面しています。

 明かりが美しく気持ちよく感じる光景といえば、明るい草原を暗い林の樹幹から眺めた光景を思い浮かべます。照明計画において、心地よい明るさを感じるためには、適度に暗い場所をつくる必要があると考えます。

 天井に大きなシーリングライトをドーンと取り付けたり、ダウンライトをちりばめて部屋全体を明るくするのではなく、テーブルの上の料理を美味しく見せる明かりや、リビングの一角でホッとした気持ちになるような、ほんのりした明かりなど、空間に対する明かりの役割をイメージしながら照明の取り付け位置や光源の種類などを計画することが重要です。

 家庭の明かりは、オフィスのようなギラギラとした光環境をつくることではありません。安息できる暗がりがあるからこそ、落ち着いた明るさを感じるのです。

写真:物件名「 籠りたくなる家

 エジソンの発明以来、夜にも明かりが取り入れられるようになり、より均一で明るい空間が求められるようになりました。しかし、それが必ずしも良いとは限りません。自然な安らぎが遠ざかってしまった現代において、今一度「豊かさ」を考え直し、落ち着いた暮らしができる光環境を創造する必要があるのではないでしょうか。

 これからの照明計画には、過去の知恵を生かしつつ、現代の技術を適切に取り入れることが求められます。

次回は照明の効果と実践について、10月に完成予定のモデルハウスをもとに紹介できればと思います。

それでは、また次回お会いしましょう。

 rustic+factory(ラスティック+ファクトリー)は、共栄ハウジング株式会社で「設計・施工」を手がけるオリジナルブランドです。仙台市をはじめ、大崎市・富谷市・名取市など、宮城県で「家づくり」や「リノベーション」を続けている工務店です。
 〝自然素材〟や〝温熱環境〟にこだわった『無垢で素朴なラスティックの家づくり』夏も冬も快適に、日々の暮らしに「学び」や「楽しみ」がある住まいを・・・という想いで私たちは建築に取り組んでいます。

共栄ハウジング株式会社【 公式HP 】
https://kyouei-housing.jp/

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