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壁内結露の対策

こんにちわ
設計のYSです。

 前回は「木が腐らないようにするには」をテーマに、結論として「水分」についての対策が必要だということがわかりました。

 今回は「壁内結露の対策」について具体的に述べていきます。

結露とは何か。

 【 結露 】の現象を簡単に述べると

「 湿った空気が冷やされたときに発生 」

するのが結露になります。


 実は身近なところで「結露」が発生しています。

 冬の季節を想像してみてください。

 早朝、暖かいベットから起き上がり、外の様子を見に窓際へ。しんしんと雪が降り積もる様子を見て、雪かきしなきゃなぁ…なんて考えながら、よ~く目を凝らしてみると、おや?窓ガラスに水滴がついているなぁ。

 ・・・なんてことありませんか?

 室内で暖をとった「暖かい空気」と、屋外で身体が凍えるような「冷たい空気」。その境目ともいえる窓際で、室内の「暖かい空気」が冷やされて水滴になってしまったんですね。

壁内結露の対策

 先ほど述べたように、温度が急激に下がる場所があると結露してしまいます。

 ですので、壁の中の対策をしっかり考えてあげないと、「内部結露」が生じてしまい、構造材を腐らせてしまうのですね。

 腐って柔らかくなってしまった構造材(木材)をシロアリに食べられてしまわぬよう「 壁内結露の対策 」について見ていきましょう。

【 壁内結露の対策 】

① 外断熱(構造の外側を断熱)をする。
② 防湿する。
③ 壁の中の湿気を吐き出せるようにする。

上記の3つが挙げられます。

①「外断熱」について

 柱の外側に断熱材があれば、柱は室内側の温度に近くなります。つまり、温度が下がる部分を構造の外側にずらすことができ、構造材の結露のリスクを減らすことができます。
 プラス、熱橋部分も格段に減らすことができるので、より構造材を安全に守ることができます。

②「防湿」について

 実は、湿気は外からだけでなく、室内側からも発生しています。
 私たちの呼吸や発汗、また、洗濯物やお風呂、調理などで「お水」を使いますよね。ですので室内、室外と両方の湿気を遮る必要があります。
 構造と断熱材を内側と外側から防湿シートで挟み込むイメージですね。

 社寺仏閣が長持ちしている理由として、人が住んでいない為、発生する湿気が少ないということも一つの要素になってます。

③「透湿」について

 アウトドア用品店でよく見かける「ゴアテックス」ってありますよね。「防水性」「透湿性」などに優れた素材で、アウターや靴などによく使用されています。
 外からの湿気は通さず、内側からの湿気は吐き出すことができる。まるでゴアテックスのような、そんな魔法のようなシートがあります。
 建築資材では可変透湿気密シートや透湿防水シートがそれにあたります。その魔法のシートを使えば、より壁内結露の可能性を低く抑えることができます。
※外部の通気層の確保は必須です。湿気を吐き出す先がなくなってしまいますので。

これからの日本住宅

 昔の日本住宅は、風通しが良く、軒も出ていて、夏の暑さや湿気に強い建築でした。

 ところが、冬はとてつもなく寒かったため、断熱材を壁に詰め込み、不適切に閉じ込めてしまった結果、結露が発生しやすいお家が今日まで普及してしまいました。「長持ちするお家」とはとても言えない住宅になってしまった・・・というわけです。

 ようやく最近になってから、ドイツを始め、温熱環境先進国からの技術が国内に少しずつ普及してきつつあります。

 私もドイツやオーストリアなど、実際に北欧へ行き、施工している現場を見せてもらったり、現地の技術や考え方を教えてもらいました。

 現地の方は、断熱性能の高水準の等級に対して、「やりすぎだと思うよ、このくらいでいい」と言っていたのが印象深く残っています。


 省エネ、温暖化、燃料高などを皮切りに、暮らしに関する意識が高まったのは良い事なのですが、数値ばかりを追い求め、なんだかどこを目指しているのかわからなくなっているような状況が多い気がします。

 国や団体の基準に振り回されるのではなく、熱シュミレーションの計算結果+今まで実際に自分の身体で感じてきた経験、初期投資とランニングコストの丁度いい部分等、その状況や環境に合った最適解を見つけるのが本質なのではないでしょうか。

 時代の流れに乗るだけで「ただ断熱を厚くすれば良い」「この機械を入れれば良い」といった、偏った知識で進めてしまうと思いもよらない問題が発生してしまうことがあります。※結露やオーバーヒートなど

 断熱材の隙間のない入れ方や、細かい納まり等、そういった技術は勿論なのですが、結果何のために建築の環境を考えるのか。

 正しい知識を土台に、地道に積み重ねた日々の研鑽でしか、心地よい環境は作り出すことは難しいのでしょうね。


 最近では、建て主様の知識に驚かされる場面が多くあります。

 当たり前のはなしですが、日々知識と経験を積み重ね、建て主様の専門的な疑問に対し正しい知識と本質的な環境を届けられる、そんなプロであり続けたいものです。

それでは。

■ rustic+factoryとは

 rustic+factory(ラスティック プラス ファクトリー)は、共栄ハウジング株式会社で「設計・施工」を手がけるオリジナルブランドです。仙台市をはじめ、大崎市・富谷市・名取市など、宮城県で「家づくり」や「リノベーション」を続けている工務店です。
 「自然素材」や「温熱環境」にこだわった【無垢で素朴なラスティックの家づくり】さまざまな敷地や環境、お客様のライフスタイルに合わせた「本質的で豊かな暮らし」のご提案。
 夏も冬も快適に、学びや楽しみがある暮らしを・・・という想いで私たちは建築に取り組んでいます。

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