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木が腐らないようにするには

こんにちは
設計のYSです。

今回は「 どうすれば木が腐らないのか 」
前回の 長持ちするお家 の続きになります。

木造建築の話になりますが
まず、木の腐るメカニズムを知っておかなければなりません。

木が腐る原因は何か。

みなさんは「木が腐る」とは、どのような状態をイメージしますか。
黒ずんで汚く見えたり、ぼろぼろに木が朽ちている様子を思い浮かぶのではないでしょうか。

木が腐る。その原因は
「 木材腐朽菌 」(もくざいふきゅうきん)
という菌が繁殖してしまうことが関係しています。
菌が木の成分を分解することで、木がいわゆる「腐った状態」になってしまうのです。

では、構造材や外壁で用いる木材はどのように対策をすれば良いのでしょうか。
まずは、木材腐朽菌が繁殖する条件を探ってみましょう。

木材腐朽菌が繁殖する4つの条件

木が腐る原因は、菌が関係していることがわかりました。

性能やコスト面、さまざまな面で優れている木材ですが
本来の役目を長持ちさせるには、この菌が繁殖できないような
条件を整えなければなりません。

菌が繁殖してしまう条件をざっくりと上げてみます。

【 木材腐朽菌の繁殖条件 】

① 栄養:木そのもの
② 温度:3~45℃
③ 空気:酸素
④ 水分

上記4つの要素が満たされたとき
菌が繁殖し、木材が分解されてしまいます。

逆に言ってしまえば、どれか1つでも対策ができれば木材は腐ることはありません。
それぞれの対策について見ていきましょう。

① 栄養について
これは木そのものが栄養になるので対策は難しいでしょう。

② 温度について
こちらも、日本の気候では対策ができません。
自然の力には抗えませんね。

③ 空気について
建物は地上に建っているため、空気を切り離すことは不可能です。
※補足として
以外に思われるかもしれませんが、水中に木材を沈めたままにすると
木は腐ることはありません。それは、水中には空気がないためです。
(沈没船などが原型と留めているのを思い浮かびます。)


結論、対策するのは④の「水分」になります。

木材と長く付き合うためには。

対策が打てるのは「水分」

外壁材は別として、雨の当たらない構造体はなぜ濡れてしまうのでしょうか。
漏水が原因の場合はもちろんありますが、多くの原因は「結露」にあります。

夏場に手に取るキンキンに冷えたグラスを想像してみてください。
氷の入ったグラスの表面には、水滴がたくさんつきますよね。
その水滴が壁の中で発生することで「内部結露」が生じてしまうのです。

そして、壁の中の水分は、密閉されているために乾燥することがとても難しい。
結果、菌が繁殖して木材が腐ってしまうのです。
その後、柔らかく腐ってしまった木材は白アリの大好物なのでもりもり食べられてしまいます。

つまり、壁内の「結露」を防ぐことができれば
構造材を守ることができるわけです。

蓋をあけてしまえば簡単な理由ですよね。

次回は、具体的にどのような結露対策をすれば良いのか。
そこを述べていきます。

それでは。

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